ちえりちゃんのラビリンス

浪人失敗世間知らずマンの書き殴り

小津安二郎『お茶漬の味』を観たよ

名作とは聞いていた、『お茶漬の味』を観たよ。

ちょっと途中で頭が痛くなっちまって、流し見みたいにはなってしまったけど。一応最後まで鑑賞しました。

 

 

なんとなく小津と言えば紀子三部作のイメージが強くて、これも娘を嫁に行かせる話かな?と思って見始めたけど、普通に夫婦の形を巡ってのお話だったね。

 

弱冠22歳のワシに『夫婦の気持ち』はわかるんだろうか?という感じはしたけど、色々感じることはあったので記しておく。

 

 

映画の細かい説明は松竹さんに任せたいと思います!(丸投げ)

 

www.shochiku.co.jp

 

 

 

好きか嫌いかで言うと、まあまあ好きな映画でした。

というのも、穏やかな父親と、ちょっとうるさい母親というメインの組み合わせがウチの家とかなり似てたので……

勝手に共感したりできる部分が多くて、リアルな人間関係を見た、って感じでした。

 

 

まあ『お茶漬の味』のざっくりとしたストーリーは、

田舎出身で静かな旦那さんと、都会育ちでモノをハッキリ言う奥さんの2人が、すれ違ったり、心を通わせたりする感じです。

 

激しい感情や行動が出てきたりするわけじゃないけど、人間らしい繊細な心の動きを表現できるところがさすがですよね。

「小津作品のこういう所が好き!」が詰まってました。リアルな「コミュニケーション」の表現がうますぎ。

 

 

 

 

ホントにね、都会人と田舎人の対比要素さえ抜けば、ウチのお父さんとお母さんにそっくりだったので、いろいろと思うことがありました。

 

(これはウチの話でもあり、映画内の展開でもあるんだけど、)お母さんはすぐプリプリして、気に入らないことは気に入らないと感情のままに訴えるんだよね。でも、それに対してお父さんは当たり障りのない言葉を返すので、お母さんはさらに「なんで真面目に取り合ってくれないの!?」って怒りが増して、ヒートアップしていっちゃう。お父さんとしては、生産的な会話がしたいので、落ち着いて、時間をとってきちんと話そうとするのだけど、そういうのを「煮え切らない態度」と受けとってしまうお母さんは、とにかくお父さんの言動が気に入らなくて、おもいっきりブチ切れたのち、会話を放棄して、その場を去ったりする……

 

こういうやり取りって、全国あるあるなんですかね?

あまりに見覚えがありすぎてグサグサ刺さりました。

 

これ、ここ数年のウチでは頻繁に行われてるやり取りなんですよね。母が自由にブチ切れるのを、困った顔して見てる父……(そこに、黙って騒ぎを聞きながら、こっそり父に同情している娘のワイ……)

 

私は性格面で自分の父に似てると良く言われるんだけど、こういう夫婦のすれ違いを観たときに、お父さん側にめちゃめちゃ同情しちゃうんだよな。いくら気に入らないからって、冷静な対話を諦めて、感情的に接してくる人をとても苦手としている。

 

や、感情的にブチ切れる気持ちはめちゃめちゃわかるけど、どうしてそういうことするの?そこは大人の対応しようよ(大人の対応ってなんやねんという話だけど)って思っちゃう。

 

私は映画を観ながら並行してiPhoneのメモにパパっと感想を残すようにしてるんだけど、

『お茶漬の味』の中盤で「ヒステリックババア、マジしんどい」と書き残していた。フラッシュバックというか、自分の家族のソレを思い出して嫌な気持ちになっていたっていう。

 

嫌な気持ちになるぐらい、ガチでリアルなやり取りが映画内で描かれてたってことだから、小津が流石すぎましたね。

 

自分もそれなりの年齢の「母」になったら、映画の人と同じように、感情的にブチ切れて、旦那さんを困らせるのかなあ……なんて。

それは嫌だなあ…と思いました(小並感)

 

 

 

 

ただの文句になってしまいましたね

 

 

 

兎にも角にも、映画を観てからの一番の感想は

「自分はヒステリックババアになりたくねえ」

でした、っていう……

 

いや、そんなんでいいの……?

 

 

佐分利さんの「夫婦はこのお茶漬の味なんだ」っていう名言とか、そういうことに関して深い感想を書くべきなんだろうけど、そっちは自分が夫婦になってから考えたいですね……

 

というのも、最後に奥さんがだんだんと旦那さんに歩み寄っていくシーンが、私はいまいちよくわからんかったんよね。奥さんがちょーっと単純すぎない?その単純さも含めて「リアルな女」って演出なのかな?

 

あんなに嫌がってたお茶漬を、急にウキウキ食べる感じが、安直やな~って思っちゃったというか……

 

ちょうど私が頭痛に襲われてたせいで、ストーリーに没入で来てなかった説もあるんだけど、あの軽い感じが腑に落ちませんでしたね。

最終的にベタ惚れになっていくあの感じ、あまりにも単純すぎない?そこまで歩み寄るきっかけとかあったかなあ…?あんなに簡単に、相手のことを好きになれるかな?

 

それとも、夫婦のいざこざってそんなもんなのかな。ぬるっと和解する感じが、逆にリアルなのかな。もしかして和解というよりは何もかも諦めたのかなあ。

うーん。

わからないけどそんな気もする。

 

 

ということで、夫婦の気持ちに寄り添えたのか不安だけど私の感想的なものでした。

 

評論はやっぱり好きな作品じゃないと難しいですね。とてもじゃないけど書けない。

 

小津作品にハマりかけてはいるものの、『麦秋』や『東京物語』のような、夫婦というよりは家族全体が変わっていくようなものがやっぱり好みなので、今回の映画はのめり込むかんじではなかったかな。でも、夫婦の心の動きを繊細に描き出す感じはすごいなと思った。

 

 

 

ということで、まだまだ小津映画開拓したいと思います!

 

今日のところはここらへんで!!

ばいばいー!