この間、YouTuberが「ファスティングするよー!」というので、ほうほうどんなもんじゃい…と思って動画を見ていたのだけど……
えっ!?!?!
なんかファスティングって、自分が思てたんとちゃう??!!!!?!?!!!?と衝撃を受けた。
実は、私は多民族国家・シンガポールに暮らしていた経験があるから、
宗教的な理由で断食(ラマダン)をしている人と身近に過ごしていたことがあるんだけど……
そこで知った「断食(ラマダン)」と、健康派YouTuberの言う「ファスティング」はまた全然違うんだな…ということを動画で初めて知ったのであった……
一応、断食(ラマダン)に関するよくある勘違いを先に潰しておくと、
「断食」期間だからと言って、みんな何も口に何も含まないまま過ごすというわけではないよ〜っていう。
「断食」という漢字が与えるイメージが強すぎて、断食=完全に食事を断つことだと思われがちだけど、実はそうではないんよね。
さすがに何も食べずに1ヶ月も過ごすと、当たり前だけど人間は死んでしまうからね。
宗教的に行われる断食というのは、
「陽が出ている間には飲食をしない」
ということらしいんですよね。
イスラームのクラスメイトも、ランチタイムは何も食べずに、会話に参加してるだけだった。
(ただし、女性の場合は生理中に限りラマダンしてはいけないことになっており、たまに一緒に食べている日もあった)
そういう風に、ラマダンというのは、太陽が出ている間のご飯を我慢する代わりに、陽が出ていない時間にまとめて食事を取っているわけです。
もちろん、1日3食で暮らしている人間にとって、日中なにも口に含んではならないというのはなかなか辛いことだけど……何日間もずっと食事をしない、というわけではないので、死に至るレベルではない。
そうそう、シンガポールに住んでいた当時、イスラームを信仰する方からテニスを習っていたことがあるんだけど、ラマダン(断食)時のテニスレッスンでは、いつもと違って水分補給をしてはいけないということで、さすがに辛そうだな、とは思った……
やっぱね、ラマダンの辛さは空腹よりも喉の渇きらしいよ。これシンガポールの友達だいたい言ってた。人間遭難したら、食料より水の心配をしろというけれど、あれってホントなんだなあと思った。
とは言ってもね!!飲みたいときに水を飲めない、とかあるけど、さすがのイスラームも「栄養補給を完全に断て」という教えではないのよ。
飢えの苦しみを味わうことで、食のありがたみを感じなさいという話なわけで、栄養失調でシネというわけではない。
だから、陽が落ちてから、一日一食は最低でも食べてる。
でも、健康派YouTuberの言う断食って、「完全に口に何も入れないこと」っぽいんだよなぁ。少なくとも私が見たファスティング動画はそんな感じだった。驚き。
もちろん、そんな生活をラマダン並みの長さで続けていたら普通に死んでしまうので、「プチ断食」と言って、3日間限定で行ったりするみたいだけれども。それでも、1日1回は胃に何かを入れるラマダンとは、全く別物だよな〜。
ファスティングによって、身体中の老廃物が出ていくから健康になれるとか何とか書いてあったけど、それは本当なのかね。そちらの方面には全く詳しくないので、個人的な見解を述べるのは避けるけども。
ただまあ、気にしすぎかもしれないけれど、私が引っかかってしまうのは、
「断食」というワードをちょっと軽々しく用いてしまっているのかなぁ、というところなんだよね(断食は宗教ワードではなく、単純に食を断つことだ!という理解なら、この話はまた変わってくるんですけどね)
いや、、、気にしすぎだけど、、、絶対気にしすぎだけど、令和コンプライアンス人間なので、いろんなことに口出ししてしまう。
そもそも、特定の宗教を信仰する方が、苦しい思いをして経験する宗教行事のことを、面白おかしく(?)エセ科学みたいな感じで(?)インパクトあるキーワードとして用いて、キャッキャキャッキャしてる感じが、あんまり好きじゃないんだよなぁ。
関係ありそうでなさそうなエピソードなんだけど、
昔、中学生の私がTwitterで
「イスラム教徒が着てる全身を覆う服とか、人生で一度は着てみたいんだよな〜」
みたいなツイートを軽くしてしまったときに、
それを見たイスラームのクラスメイトが、宗教を馬鹿にするな!と暗に主張するツイートをしていたことがあって……
もちろん、その子のツイートは私に直接宛てられていたわけじゃなかったけど、タイミング的に、私の発言のせいで傷つけてしまったんだろうなーと思うような感じだったのよね。
それ以来、私の宗教認識が甘かったことを非常に後悔していて……
宗教的な慣習を、信者でもない人間が、面白おかしく取り上げてはならんよなぁ、と常に意識するようになった。
そんなこと、人から言われなくてもわかっておけよ!という話ではあるんだけど……
シンガポールのような湿気ムンムンの暑さがある国では、チェンドルで過ごすのはそんなに快適じゃないはずで……
それでもイスラームの女性は、宗教上の理由から、チェンドルを身につける以外の選択肢がない状態なわけで……
多少はその衣服で苦しい思いをしたりしているだろうに、それを他所の無宗教日本人が「おもしろそ!」「体験してみたい!」「人生に一度は着たい!」とか言って騒いでるのをみたら、そりゃあ良い気はしないだろうなぁと反省したのだよ。
今回のラマダン(断食)の話も、それに近いのかなぁと思っています。というのも、信者にとっては苦しみを伴う宗教的慣習を、他所者が面白おかしく取り扱ってしまっているという部分が似てるかなぁと。
まあ気にしすぎなのかもしれないけど(n回目)
こういう発言は多方面に気を遣いますね。
でもまあ、気が遣えないよりは遣えるほうがいいよなぁということで。
気を遣うのに疲れたので今日はこの辺で。尻切れトンボですがさようなら✋